NordicAngle

■概要■
Nordic Angleは、株式会社S-CADE.と早稲田大学アスレティックトレーニング研究室（広瀬統一指導）との共同で開発されたアプリです。AIによって股関節、膝関節、足関節のランドマークを自動で検出します。検出されたランドマークの位置情報から、ノルディックハムストリング中のハムストリングの脱力開始地点と推定されるブレイクポイント角度（0°を膝関節完全伸展位とする膝屈曲角度）を算出します。

ハムストリングの伸張性筋力が強い人ほどハムストリング肉離れのリスクが低くなることが先行研究により示唆されています。さらに、ハムストリングの伸張性筋力が強い人ほどノルディックハムストリング中のブレイクポイント角度が小さくなることも報告されています。したがって、Nordic Angle によるブレイクポイント角度の測定を定期的に実施することによってハムストリング肉離れのリスクの高さを評価できる可能性があります。

ブレイクポイント角度が小さい値であるほど上体を深く前傾できているため、ハムストリングの伸張性筋力が高いことが予想されます。一方で、ブレイクポイント角度が大きい値であるほど上体の前傾が浅いため、ハムストリングの伸張性筋力が低いことが予想されます。すなわち、定期的なブレイクポイント角度の測定により、その値が小さくなっていれば、ハムストリング肉離れのリスクが低くなっていることを意味し、反対にその値が大きくなっていれば、そのリスクが高まっていることを意味しています。

■使用方法■
1. デバイスを対象者の左右3mほど離れたところに配置し、全身がカメラに納まるようにます。
2. 対象者の準備が整ったら、スロー設定（240fps）で動画を撮影します。
3. 対象者は、膝立ちの姿勢から上体をできる限りゆっくりと前傾させ、限界まで上体を前傾させていきます。
4. 撮影した動画の序盤と終盤の再生速度をスローに変更する（※対応方法）。
5. 動作開始から動作終了までトリミングし、動画を短くカットします。
6. 動画を選択します。
7. 画面が変わり、ブレイクポイント角度が表示されます。

※序盤と終盤の再生速度をスローに変更する方法
カメラロール内のスロー動画をアプリに読み込む際は、事前に読み込む動画を選択し、再生画面で右上に表示される「編集」ボタンをタップします。編集画面で動画下部に表示されるバーコード状の白線の間隔が右端と左端が中央に比べて狭くなっています。右端と左端の白線の間隔を広げることで動画の再生速度をすべてスローに変更できます。動画の序盤と終盤の再生速度がスローでない場合、ブレイクポイント角度を正確に測定できない可能性があります。

■注意点■
・足首が固定できるベンチを使用してください。
・対象者以外の人が映らないように撮影してください。
・撮影する際は、対象者の全身が映るようにしてください。
・ルーズフィットな服装は、検出精度が低下してしまいます。